ビギナーも、キャリアもないのがワークショップ

まったく靴をつくったコトのないビギナーが、いきなりサンデー スタディーズのパターン トレーニングをはじめ、イメージしたハイカットのスポーツシューズをつくりあげた。

モゲ ワークショップをはじめて、このかた33年の軌道は、「素人に靴ができるか」という専門技を、「素人でも生活術」として普通技にするコトを一貫しておしすすめてきたので、このケースは大歓迎
である。
自らの人で、自ら手で、自ら履く靴をつくるコトは、足にとつて、もっとも理にかなったコトになる。

靴を専門技にしないで普通技にするモゲ ワークショツプが33年つづけてきたムーブメントである。
だから T・T さんのように、パターンメーキングから靴を知りたいと望む人は、双手をあげて賛意する。
T・T さんは、サンデー スタデーズを修了後、モゲ ワークショップのディヤーズ (diyers) に編入して、自らイメージしたハイカットのスポースタイプの靴づくりに踏み出す。

そのプロセスの一部始終・・・

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モゲプロセスのバターンセオリーは、一つの技法ですべての靴種ができるコトにある。そのベーシックモデルを3日間、のべ15時間で手中にする。そしてその応用として外羽根、内羽根、ローファーのいずれか一つを選択し、カッティング パターンをつくり裁断、縫製、ツリ込みをして、ラスト フィッティングの精度を確かめる。

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T・Tさんは、その後ディヤーズで初めて自らの足で自ら履く靴づくりにはいる。
まず靴づくりに不可欠な足のデータ(足計測、フットプリント、歩行観察)どりをして、つくる靴のイメージと自らの足と相談して木型を選定する。
インソール( 足底挿板)で歩行時の偏りを是正し、そのインソールをいれてもフイットする数値を木型にくわえて、木型の数値が少ないときは、木型に載甲して修正する。

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木型の補正がすむと、中底づくりに入る、中底の前足部はショルダーをつかい、後足部は5ミリ厚のファイバーとW・焼き入りシャクとハチマキでヒール部をフラットにする。

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いよいよイメージしたハイカットのスポーツタイプのモデルゲージをつくり、パターンメイキングにはいる。

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カッティング パターンができたら、まずフィッティングモデルを裁断、製甲、ツリ込みし、足いれしてその精度を検討、不具合を手直ししてモデル バターンを手なおしする。
フィッティグ チェックは足囲、甲部、踵部・・・3部位支持が適切か、履き手との問答で確かめていく。さらに触診で履き手のリクエストを確認する。このように手づくり靴は臨床の技法でありホスビタリティ
の関係性がもとめられる。ビスポークの語彙もこのコトをさし、きどつた特殊用語ではない。

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靴づくりの前段階の準備を適切にクリアすると、甲革を選定しメイキングのプロセスに移行する。
裁断、製甲、ツリ込み、ソール圧着、さらにマットガードをほどこして木型を抜く。

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いよいよ足いれし(静的評価)、歩いてみて(動的評価)を確認する。
ワークショップでの靴づくりの大事なコトは、つくり手とプロセスを共有し、靴の本質のなんたるかを体験するコトに重きをおく。あくまでも
つくり手と伴走 (ファシリティターの役割) し、つくる意味の方位を明解にするコト。
だから多くの靴教室での先生と生徒という師弟関係でうみだす技芸技能を評価する作品づくりとは一線をひかなければならない。
なによりも、靴づくりは、生活を自らの手でつくる生活術であり、生き活きする共感がなければ、つくる意味がなくなる。
そして「善き動きをつくり、善き動きをつたえる」これがワークショップのミッションである。

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ビギナーも、キャリアもないのがワークショップ・・・この笑顔がほしくて33年つづけて来た。

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