第33回・日本靴医学会学術集会。特別講演・河田町セミナー(教育研修講演)で話したコト

第33回・日本靴医学会学術集会 特別講演・河田町セミナー(教育研修講演)

靴が靴になるための評価コードの共有
Share evaluation code for shoes to become shoes

シュー ワークショップ・moge 主宰
フット & ボディ バランス アジャストメント機構・理事
Foot & Body Balance Adjustment Organization /Director

勝見茂

靴の評価コードの共有 Share shoe rating code

靴には、レディメイド(既製靴)、パターンメイド(既製靴)、オーダーメイド(注文靴)、セルフメイド(自作靴)に大別されます。
注文靴、自作靴は、履く人の足がなければつくりませんが、履く人の足がなくてもつくる量産既製靴は、大方の人の日々戸外活動を足元から支える身体運動に不可欠なものですが、その影響下にある足機能を不全なものであってはなりません。
しかし、既製靴は、量産ゆえに、規定できない足を規定でつくらなければならないところに、不可避な不全が、多々、発生します。
靴の不全から起こる様々な足の変形疾患は、社会的にも無視できない様相になってきました。
不全な靴が原因で起る足の不具合に対応して、オーソペディ系 フィジカル セラピスト系 シューケア系、シューフイッティング系・・・などの様々ような職能が関与していますが、それだけに、既製靴が靴であるための評価コードを共有しなければなりません。

既製靴に足が合わない問題 The problem of not fitting my shoes

既製靴の評価規格は、日本産業靴規格JISに基きます。
足長は 足入れサイズ表示 5ミリ等差
足囲は 英文字区分で6ミリ等差(靴/ボールガース、医/ MP関節)、
男靴の足囲の部類はA〜Gまての10部類
女靴はA〜Fまで9部類
足幅は、足長サイズ間では、1ミリと2ミリ、部類間は 2ミリと3ミリ
となっています。しかし、既製靴は、数ある足囲部類の内ただ一つ、
男靴ではEE
女靴ではE
を基調にして、大方は、この一つの足囲部類の靴しか製造しませんが、さらに、JISコードに準じるメイカーは、皆無に等しく、独自の規格コードで製造するメーカーは多々あります。
なので、ほとんど足の機能不全は、靴に足を合わせにくいことが問題なのです。
なので、靴に足を合わせる補完技法が不可欠となります。

靴の評価は、フイッティングとバランスの調整 Evaluation of shoes, fitting and balance adjustment

シュー フィッティングの要点は、足入れした時の3部位支持(静的評価)、足囲部位 甲部位 踵部位が、その人にとって適正に支持されているかを検証し、不全の場合は、補完技法をほどこして十全にするのがシュー フィッターの役割になります。
これは、あくまで静的評価であって、靴は静態で無く動態ですから静的評価だけでは、十分とはいえません。
人にとって、生きる上でとても大事な役割を担う歩行時の身体の偏りを正し、いつまでも、じぶんの足で歩けるように、動的足底挿板で足元のバランス調整する技法(動的評価)が必須の課題となります。
なので、既製靴の評価を共有するには ・・・
フット フィッティング(静的評価)のための3部位支持 、
グッド バランス(動的評価)のための3軸部位支持、
この2つの補完技法がなければ、既製靴を評価できません。

社会的有意な存在になる Become socially significant

私たちは、専門の技能者であると同時に社会とのかかわりをもって日々生活しています。
社会が望む「何人も健やかに幸せに生きる」を「面」とすると、私たちの専門技能、プロフェショナルスキルは、「点」であり、社会に対して、どう向き合い、何ができるか、バブリック スキルとして、能動的、主体的に関与する姿勢を示してこそ、学術集団である靴医学会は、社会的有意な存在となるでしょう。
それには、「対処から予防へ」、靴を介して・・・
足と靴の関係性の啓発、足育、靴育の重要性
足の変形疾患の起因のひとつ靴の問題点の解析
靴とジェンダーの問題、
既製靴にたいする補完臨床技法の統合体系化
などなど、身近な問題は多々あります。
そのためには、当学会に靴の共同研究部会を設置、足と靴にかかわる問題を提起、発信して、願わくば社会的なムーブメントを起こすバブリック スタンスとしての日本靴医学会を希求します。


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