2012/ Jul _ 14

  モードもう魅力ない

2012/0426 朝日新聞・夕刊「モードもう魅力ない」の記事を読んだ人も多い

と思うが、靴を「つくるコト」に手を染めている人で、まだ読んでいない人に、

ぜひ目を通してもらいたい。

靴のつくり手にしぼつて、この思い想いをあてはめてみると、なんの憂いもな

く「靴をつくつてあげる」作家気取りの「展「を多く見受けられるが、「つく

る」の水準がつくり手の手中にはなくなって、自らの手で暮らしを心地良いも

のに、ささやかな感覚を大切にする、もつと主体的に暮らしを、自らの手で再

編集する豊かな人たちに移っているのに、「つくつてあげる」などと、よくも

思い上がって言えるものだなー・・・と思っている。

ワークショップの仕組みにのせて、靴は自らの手で、主体的につくるムーブメ

ントを、30年おしすすめているが、もうモードの上意下達の時代でないコトは

確か。

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哲学者・鷲田清一さんに聞く・・・ 
1980年代から90年代、身体論などの視点から優れたファッション論を自在に展開した哲学者の鷲田清一さんが、最近、モードについてあまり語らなくなった。
アンチ・モードも出尽くし画一化・保守化にひた進む昨今のモード現象は、もう論評の対象としては魅力や意味を失ってしまったのか、京都の研究室を訪ねた。
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最先端ファッションのモードに距離を持ち始めたのはいつごろですか。
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「90年代半ばまで、ファッションショーなどは何とか見ていました。ただ、90

年代前半にリアルクローズや、ぼろぼろの重ね善スタイルのグランジ、ユニク

ロなどが次々と出て来た頃から、モードの水準が変わってしまったなという感

触があった。

1世紀続いたモードという現象がもう終わのかなと。自分の関心の対象も、そ

の頃、山本耀司さんも『かったるくなってる』と言ってましたね」

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モードはどのように変質し、またその要因は何だと考えますか。
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「60年代から80年代末までずっと、日本にはある意味とんがったファッション

が存在した。たとえばミニスカートによって女性は大股で歩くようになり、男

に品定めされずに自分の体と対話しながら服を主体的に着るようになった。

男性もがんじがらめの性意識から少しずつ解放され、それがヒッピーなどにつ

ながった。

80年代のDCブランドブームでは、自分のライフスタイルや価値観をモードと

いう記号で競い合った。

しかし、90年代にバブル経済がはじけて人々の消費感覚が変わり、モードや新

しさへの強迫観念から下りて、気張らずに服と戯れるようになった。」

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服が自己表現に不可欠な物でなくなったと。
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「右肩下がりの時代にはもう、″ネクストニュースという感覚に心はなびきませ

ん。心地良い暮らしのために、服は食べ物や本、友達、環境への意識などと総合

的に自主編集していくための一つに変わってきた。

モードに振り回されることが少なくなった分、衣食住ともに、自分の心と体に

聞いたささやかな感覚を大事にするようになってきた。 まっとうで、素材に

も敏感、いい感じです」

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その半面、モードはつまらなくなったと。
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「かつてモードを支えていたのは、作り手を含めて、群れず、流されず、社会

との違和感を大事に示していこうとする人たちでした。

江戸時代でいう「かぶく」人たちです。いま、かっこよさの基準は目立たなく

ていい、服で社会の違和感を示さなくていいという感じでしょ。

以前はモードが社会をぐわっぐわっとうねるように動かした。そういう意味で

今は確かに空気がゆるい」

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ファッションにつきものの軽さ、軽薄さもなくなってきた?
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「服ってこんなにお行儀が良くていいのかと。服飾の歴史の流れから見れば自

然なのかも知れないけれど、やはり悪趣味な物、B級も必要なのでは、もっと

刺激してよ、突っかかってきてよ、とね」

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鷲田さんはその時代がはらむ先端的な感覚の象徴としてモードを研究してきました。もうモードが時代をリードすることはないと考えますか。
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「どんな分野から何か出てくるか、あるいは時代がそんな流れ方をしないのか、

誰にも見えません。ふと見過ごしてしまいそうなところに意外な種が落ちてい

るかも知れませんね」

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聞き手・編集委員・高橋牧子
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07/14 pm 11:30

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