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2014/ Aug _ 11

 靴づくりは専門域だったのに、今や一般域になる

もっともわかりやすいマーケティングの説明に、このような話がある。

町内という程度のエリアに3軒もパン屋がある。その内の1軒が競り合いにた

えかねて「日本一おいしいパン屋」の看板をあげる。それを横目で見た2軒

目が、うちは「世界一おいしいパン屋」と派手な看板を上げる。のこったバ

ン屋は手がきで「町内一おいしいパン屋」と張り紙する。

のこったバン屋は「町内一おいしいパン屋」だけになる。

日本一とか、世界一、と謳われても、よく分からないが、町内一なら實感と

して分かる・・・比喩としておもしろい話になっている。

実感するを、実体があると云いなおしてもいい。

手でなければ、靴の実体を掴むコトはだきない。

既製靴は、メジャー市場に属し全国エリアであり大量流通させる量的生産が

なければならない。

手づくり靴は、とてつもなくマイナーに属し町内エリアであり、ボリューム

は人力の物理的限界があり少量生産で、とてもメジャー市場に参入できるわ

けが無い。(町内エリアという地域限定でなく、共有する意識の点在を指す)

しかし、手づくり靴を志向しながら、既製靴のマーケティング・ストラテ

ジー(市場計画)のやりかたを目論む(ストラテジーには目論見の意もあり)、

この方法論しか知らないつくり手が、アート志向、デザイナー志向、技法の

差別化での被承認欲というアーチスト症候群の深みにはまり込でしまうので

ある。これを無自覚に増長させているのが、靴技専修機関が評価する技芸技

能本位主義の講師・職人キャリア連中である。

既製靴、手づくり靴を問わず、靴を介して、いかに「生きるか」、この可能

性を広げるのが靴技専修機関の役割のはずである。

「よりよく生きるコトのできない技法を、これをつたえてはいけない」経済

学者・内橋克人の言葉を、かれら靴職人キャリアに突きつけたい。

この国の既製靴業界と密接な関わりある、ある靴技専修機関の今期、入校生

は一桁がやっとという事態がしめすように、既製靴の製造部門は、未曾有の

危機的状況にある。その一因に手づくり靴の台頭がある。

その前に、もはや、靴作成は専門域ではなく、だれでもつくれる一般域と認

知して、靴をとりまく構造の見直をするのが急務だと思うが。

(8月いっぱい夏休みの、だれもいない手房で)

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2014/0811 pm 08:00

カテゴリー:日々考日 | Edit