2006/ Oct _ 17

長年靴づくりをしていて思うことは・・・

自分の靴といえる靴、

だれがみてもあの人の靴。

と云われるような靴をものにしたいという思いがある。

靴づくりを仕事にするわけだからどんなオーダーでもこなせる技法を身につ

けることは下地として必要だが、それはそれとして、これはオレにしかでき

ない自分の分身のような靴・・・通常、職人の業で、これはオレしかできな

いとだれかさんのように、履きもしない、ただ技芸技能をつくして、ここま

でできるのはオレしかいないとばかりに、どうだマイッタカと靴が透けてみ

える立派なショーケースに鎮座させた靴を、だれかまわず、これみよがし

に、見せつけ高見にたとうとするるのではなく・・・

自分の生き方、自分の暮らしで濾過し、もっと静かに深いところに沈殿して

いる思いを手さぐで引っぱりだして靴の形にしてみる。

だれがみてもアイツの靴だ ! ・・・

と云わせ、どういう回路を経れば、あのような雰囲気の靴ができるのだろう

と不思議に思われ、あれはだれもマネができない靴だと云わしめる靴。

そんな靴を生涯、自分の手でつくりだせたら、その人は、靴をつくっていて

ほんとうによかったと思うにちがない。

ほとんどの人が、そんな靴をものにできなくて生涯をおわるのは、多分、自

分には無いものを、ないものネダリをしていて、自分の履歴のなかにあるた

だ一つのものを、見つけだせないだけではないか・・・と思う。

なぜそう思うか、それは自分の履歴のなかのただ一つのものを・・・なんの

迷いもなく、ワタシにはこれしか無いと、たんたんと、ごくあたりまえのよ

うに見つけだしす幸せな人もいる。その人は藤原千鶴。

fujiwara061016-3

こつこつ長野の松本の工房でつくりためた「ルームシューズ」を10月16日か

ら21日まで原宿のzakkaで展示即売会が行われる。詳細はzakkaのサイトに

飛んでください。

ルームシューズにふれるというより藤原千鶴の人柄にふれる「展」だと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(初稿) 10/17 am 04 : 00

カテゴリー:日々考日 | Edit