top    information    diyers    blog1    blog2    map    mail

2006/ Feb _ 14

思いと 志を強くもつ。

アメリカの国立航空宇宙博物館には、本物のスピリット・オブ・セントルイ

1

ス号が天井から吊るされているが、モゲワークショップの天井からは本物の

2

20分の1 の模型がぶら下がっている。今までいくどか説明しているが、まだ

なぜ靴の工房に飛行機が吊るしてあるか興味をしめす人は少ない。

1919年パリとニューヨークの間を無着陸飛行した最初の者に2万5千ド

ルの賞金を与えると、フランス人のホテル王オルティグが発表したので

1926年になって何人かの有名な飛行家が名乗りをあげ挑戦したが、いず

れも失敗した。

1927年、25歳で無名のチャールズ・A・リンドバーグ青年が、無謀にも

1万5千ドルの後援資金を集め、ライアン社に飛行機の製作をたのみ、機体

に後援者の多かったセントルイス市の名前をつけた「スピリット・オブ・セ

ントルイス」で1927年、単身ニューヨーク〜パリ間横断無着陸飛行に成

功した。

今の若い人たちは、リンドバークの名前さえ知らない人が多く隔世の観があ

る。しかし、リンドバークが成功する 8 年前の1919年に、すでに2人組だが

大西洋無着陸飛行が成功した話は知らなかった。

この事をしったのは2005年7月3日、米国の冒険家 (無給油世界一周飛行の成

功で知られている) スティーブ・フォーセットさんが友人と二人で1919年に

英国のアルコックとブラウンが成功させた無着陸大西洋横断飛行の再現に挑

み成功した記事が新聞に掲載されたからだ。

050707_0 (その時の旧式複葉機)

86年前と条件を同じくするために、操縦桿、計器類などきわめてシンプルに

した特別仕様の旧式複葉機で、アメリカを飛び立ち17時間かけてアイルラン

ドに無事着陸した。待ち構えていた地元の人たちから喝采をあびたのはいう

までもない。

リンドバーグが喝采され世界的に評価されたのは、睡魔と孤独の恐怖と闘い

ながら単独の冒険飛行による成功だからだろう。

思いだすのは、1962年、小型ヨット「マーメード号」で単独太平洋横断

を成功させた堀江謙一青年に対し、ノーパスポートのまさに“密出入国”の航

海で、快挙とはいえ即刻強制送還されてもしかたがない状況であったがアメ

リカは、堀江青年をサンフランシスコの名誉市民として受け入れた。アメリ

カ国民から堀江青年は称賛を浴び英雄になった。現在もアメリカでは堀江を

知る人々は彼をレジェンド「伝説」の人と呼んで敬意の念を表している。

こういう話がいちばんウレシイ。

この一件に対して、日本政府は密出国者として逮捕やもえずと冷淡そのもの

の態度をとったのであった。

日本という国は、冒険を試み成功した人にたいする尊敬の念が乏しく、冒険

心などはほとんど無視される不思議な国である。

今日の主題は、「単独」、「小型」、「軽量」といった手作業に負うもっと

も「小さな単位」で思い志すことを成すシンボルとしてモゲワークショッ

プの天空を「スピリット・オブ・セントルイス号」は飛行していることであ

る。

集団で組織的に重装備でメディアをひきつれ鳴りものいりでロープウエイで

登るような合理的な登頂はいくら成功しても好きではない、酸素呼吸器をつ

かわないで単身、身体能力だけをたより、登頂する登山家・栗城史多さんの

ように「キリマンジャロ」をはじめ、北米の「マッキンリー」、南米の「ア

コンカグア」、ヨーロッパの「モンブラン」など、世界4大陸の最高峰をたっ

たひとりで登頂する人に敬意をもつ。

前述の冒険家スティーブ・フォーセットさんが ( 61 )がまたまた快挙を成し

遂げた。軽量飛行機による無着陸、無給油単独飛行の世界記録「グローバル

フライヤー号」でうちたてた記事が2月13日の読売新聞 ( 夕刊 ) に掲載され

ている。

4

この飛行機は、見ての通りすこぶる美形なのである。記録をたてる位の飛行

機だから、無駄をはぶき必要な機能だけでまとめあげた形の美しさに、ほれ

ぼれ見入ってしまう。機能美もさることながら、雲を眼下にして飛行する

「グローバルフライヤー号」の姿から、なんともいえぬ穏やかな機能快が感

じとれる。

通常「機能美」という美意識は語られるが「機能快」という感性の言葉を聞

いたことがない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

思うに、手づくり靴の目するのは、日頃すこやかに、気持ちよく暮らす、こ

の「機能快」にいちばん思いをかけなければならないと思っている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この快挙を讃えあう、冒険家でありヴァージングループを率いる事業家のリ

チャード・ブランソンが、今回のスポンサード。

5(スポンサーのリチャード・ブランソンとステイーブ・フォーセット) 

チャレンジ精神が旺盛で挑戦しつづける企業家チャード・ブランソンは、生

きるに値する「人生の讃歌」を教えてくれる。

手仕事もまた、生きる意味をただし、生きる喜びを手の内に宿してくれる。

単独でことをなすには、それなりの思いと志の強さがいる。そしてことを起

こしたら 四の五をいっている場合ではない。 いったん飛び立ったら、途

中で頓挫するわけにはてかない、 機下は大西洋である。「翼よ、あれがバ

リの灯だ」と言えなければならない。

手づくり靴を仕事にする思いと志がやり通すことが「モゲワーカーズ魂」で

ある。今日もワーカーズの頭上を飛び回っている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(初稿) 02/14 pm 10 : 00
(脱稿) 02/15 am 06 : 30 
 

カテゴリー:日々考日 | Edit