2005/ Jun _ 15

希望という地平 21

手づくり靴は、個々の身体差異が起点になるからグッドフィッティング

は当然のこと。さらに、既製靴では具合の悪い人、歩行になんらかの問

題をかかえていて難儀している人に、足にかかるストレスを低減しバラ

ンスのいい歩きに導くグッドウォーキングの技術を獲得しなければなら

ないという考えにいきついた。

振り返ってみると・・・

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靴をつくる技法をまず手につける。技法は既製靴の製靴技法ではなく手

づくり靴の技法でなければならない。この技法は20年前は、まだ技術

体系化されたものはなかった。靴がつくれるようになつたら手づくり靴

の技術を構築してみよう。これが第一の節目。

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第二の節目は、手づくり靴で仕事になる技術体系化は、フィッティング

技術とウォーキングの技術との融合技法でなければならないことに気が

つく。手つくり靴は、足の静的評価と動的評価の医学的知識の領域にふ

みこまなければ技術体系化できない。

手づくり靴のフィッティングは申し分ない。しかし歩くと問題がでてく

る。歩行時にその履きものを客体化できないもどかしさが募ってくる。

定性的(視覚で性質を知る)にも定量的{数値で傾向を掴む)にも客体化す

る技法はないかとさがしていたら、あった。「Fスキャン」というソフ

トである。世の中には望むものは、同じように望む人が用意してくれる

恩恵に感謝した。さっそく手にいれた。

「Fスキャン」は歩行時の足圧測定をコンピューターのソフトに取り込

み数字と性質を視覚的にデータ化できるのである。願ったり叶ったりと

は、このことを言うのだろう。

第三の節目は、問題がわかっても、さてその問題をどう解決するか、足

と靴のいいかかわりを求めると・・・

身体の個体差と、歩行時の身体観察による静的、動的評価をして、足に

ストレスをかけず、歩きのバランスをととのえる融合技能は医学と理学

療法の知が、どうしても必要になる。

だれが履くかわからない 靴をつくるだけの技法では、手づくり靴は仕

事にはならない。

手づくり靴を仕事にするには、グッドフィッティングとグッドウォー

キングの技能を融合し、その人の身体差を臨床する技術が必要なのだと

考えるようになった。

この時期に出会ったのが、靴による足の健康をとりもどす医療研究集

団、オーソティックスソサエティー ( NPO 内閣府認証 ) が、医療とし

て独自に開発し足底挿板 D S I S をカリキュラムであった。渡りに船と

はこのことだろう。さっそく講習会に参加した。D S I Sに、もし出会

うことがなかったらモゲワークショップの手づくり靴の技術体系化は、

数年さらに遅れたろう。

「願ったり、叶ったり」とか「渡りに船」とか思わず綴ったが、時代と

いうものは、それぞれの分野でひとつの目的に向かって走り出している

ということだ。

「足と靴のいいかかわりを考える」で立ち上げたモゲワークショップと

靴による足の健康をとりもどす医療研究集団、オーソティックスソサエ

ティー ( NPO 内閣府認証 ) が、同じ時期に立ち上げたのは何かの因縁

があったのだろう。モゲワーカーズではオーソティックスソサエティー

の D S I S がを正規のカリキュラムとしてお願いしている。

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技術というものは、人の願い に呼応して多発的に求める方位にむかっ

て軌道を一つにしていることを実感する。

靴の位置は、刻々と未来を歩いている。

つづく。

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