2005/ Mar _ 03

ドイツ・マイスター制度の崩壊。

今、ドイツの手工業を支えてきたマイスター制度が次の3点で大揺れにゆれている。

まずEU・欧州連合から「参入規制」の批判。

次に、この制度のもとでは、マイスターの資格がないと開業できず、

高失業問題解決の足かせになっている。

三つ目は、開業する資格をとるのに数年かかり、費用も家具業の場合約700万円かかる。

このような制度では後継者がいなくなりつつある。

資格のない職人らが開業の自由化をもとめて結成した組織 = 独立手工業連合は、

「職種区分が細かすぎて、家をたてるとなると10数人のマイスターがくる。

この制度は今や職人にとっても消費者にとっても、もはや硬直化のなにものでもない」

と宣言している。

ここにきて、ドイツ政府(2004年11月25日現在)はこの制度の業種数の削減をはかり、

新法では41業種に減らした結果、

この半年で1万6千件の手工業の開業数のうち95%は資格のいらなくなった職種に集中しているそうだ。

またドイツの独禁当局は、「資格を必要とするマイスター制度は完全になくすべきだ」

と独禁法に抵触する見解を示している。

ともかく資格のもつ者は、技法を特化して既得権を死守し権力で、脅かす勢力は極力排除する。

制度というものは硬直化するもので、それが制度の制度たる所以だ。

ちなみに、靴製造に従事する職人は新法ではマイスターの資格取得はなくなった。

私のトコロにも、ドイツへいって靴のマイスターの資格をとってきますという人が引きも切らずだが、

実情を話すと「知りませんでした」となんの屈託もない。

技術とはより良く生きるコトができる技法でなければならないという当たり前のコトが、

「俺たちは玄人なんだ、素人にわかってたまるか」と高見にたち、

私たちの暮らしの想いとは無縁なトコロへいってしまうのがマイスター制度と解釈している。

そのマイスター制度が地域の経済振興策として浮上している。

行政は、またぞろホコリのかぶった技術至上主義の老職人を引っぱりだして、

地域の暮らしに縁のない技法を「ドーダまいったかぁ ! 」と云われてもうんざりするだけだ。

そんなマイスター制度よりも、役所的な記述だが

「社会的な使命の達成を目的に、市民が連携し、自発的かつ非営利で行う社会的、公益的活動」

を実践するNPOを設立して、地域住民と自分たちの暮らしの身の回りから色々な問題を考え直す方

が、今日的な行為だと思う。

私は今、健やかに暮らくす。この想いを「足とクツとの良いかかわりを考える会」とする NPO の設立を

準備している。

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